ハウスクリーニングで独立開業する際に陥りやすい失敗例となると、「独立開業に関する失敗」と「ハウスクリーニングの仕事に関する失敗」が入り混じってしまうので、ここでは「ハウスクリーニングの仕事で独立する場合に陥りやすい失敗」に絞り込んでお話ししたいと思います。
目次
安易に在宅清掃でスタートして失敗するパターン
ハウスクリーニングというと、一般的に思い浮かべるのが、「在宅清掃」だと思います。しかし、この在宅清掃でスタートするというのは、かなりのリスクがあることをご存じでしょうか?
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- 限られた時間で作業する作業スピード
- その場で汚れの種類、状況を適切に判断して、対応、説明できる知識と経験
- お客様の目の前で作業する接客能力
ちょっと研修を受けた程度では、なかなかこれらのことをスムーズにできるわけがありません。 「お客様からのクレーム対応」で精神的にも参ってしまい、「とりあえず仕事は終わったがリピートが来ない」(※リピートが来ない=ダメだったということです)、このような状況を繰り返して、精神的にも追い込まれ、仕事も先細り、廃業に追い込まれる例は後を絶ちません。
価格競争に巻き込まれて疲弊するパターン
先ほどの在宅清掃は、基本的にBtoCのビジネスで、「くらしの〇〇」みたいな集客サイトでお客様が検索して業者を探します。また、ホームページでもたくさんの専門業者や集客サイトが広告を出しており、その中でお仕事を獲得していくには、かなり難易度が高くなります。
その中で、選ばれるためにと価格を下げて仕事を取ろうとすると、いつの間にか価格競争に巻き込まれ、仕事はあるけど、全然利益が出ていないという状況に陥ってしまいます。
特に集客サイトに出店して単価を下げますと、ただでさえ利益の20%前後を持っていかれますので、中には仕事すればするほど赤字になるなんてことも少なくありません。
これではやっていけないということになります。
よく考えずにフランチャイズに加盟して失敗するパターン
先ほどの価格競争に巻き込まれるパターンによく似ていますが、安易にフランチャイズに加盟しても同じことが起きる可能性があります。
それは、毎月のロイヤリティ、広告費、消耗品代などで、利益がなくなり赤字転落・・・。
貯めていた開業資金も高額な加盟金、研修費、保証金等に支払い済みで、運転資金が不足して廃業に追い込まれるパターンです。
本部も売り上げを上げるのが仕事ですから、リピート注文がもらえない加盟店よりももらえる加盟店に仕事を回すようになり、売上が上げられない加盟店にはさらに追加の有料研修などを勧めて売り上げを上げようとするのが、一般的なパターンです。ノウハウはある程度学べたし、毎月の支払いから解放されたいと思ってフランチャイズ契約を解消しようと思っても契約の縛りがあり、ハウスクリーニングでは独立することもできません。
人を雇い、技術向上の意識が低くて失敗するパターン
これは、ハウスクリーニングを人を使ってビジネスにしたいという人に多いと思われます。
将来的には、会社の規模を大きくして売上や利益を大きくするためには、人を雇用して成長を促し、会社もそれに伴い発展していく・・・このような発展計画をもくろむのが一般的ではないでしょうか?
ただし、最初からその仕組みのままで行くとなると、疑問があります。
ハウスクリーニングは誰でもできる仕事ではありますが、事務や飲食店のアルバイトの仕事とは違い、職人の仕事に分類されるものですので、その人の技術や知識で仕事内容に大きく差が出てしまうという特性があります。 しかも、汚れの状況や種類は毎回現場ごとに千差万別で一筋縄ではいかないものもあります。
この状況を会社オーナーがしっかり把握して、経験値として後進をアドバイスし、品質管理をやっていける環境を整えてからでないと、会社の発展は難しいと思われます。
ハウスクリーニングは、毎回の清掃結果が、次の営業ツールです。1回でもお客様に「清掃がイマイチ」と思われれば、もう仕事はもらえません。
私が「イマイチ」と感じて発注をしなくなったハウスクリーニング会社はやはり廃業している・・・これは事実です。
人を雇うのであれば、まずは自分が清掃技術で自信を持って指導できるレベルになり、日々技術向上を目指していくのは、ハウスクリーニング業者として、非常に重要な要素と考えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
他にもいろいろな失敗例はあると思いますが、だいたいこのような要素で失敗される例が多いように思います。 逆にいうと、このようなパターンにならないように気を付ければ、大きな失敗のリスクは少なくなると言えると思います。リスクをおさえて独立する方法については、「1-4 リスクをおさえてハウスクリーニングで独立開業する方法」でも、記事をご紹介しています。まだお読みでない方は、是非、読んでみてください。
いずれにしても、ハウスクリーニングで独立される方は、まずはハウスクリーニングの職人としての要素、そしてビジネスとしての要素、この二つを両輪としてバランスよく考えて起業することが重要であることに間違いありません。
最後に・・・
世の中には必要以上に不安を掻き立てて安心を提供する広告があふれています。でもその安心と引き換えに多額の出費は避けらません。そしてその出費が逆に経営を圧迫してしまうなんてパターンがなんと多いことか・・・。本末転倒の極みです。ご注意ください。
プロ技塾では、新規の顧客の開拓の仕方をお伝えし、初めは多少大変ですが徐々に軌道に乗り始めると確実に利益が出せる空室クリーニングの開業を推奨しています。安易な独立開業を避けて、リスクを最小にしつつ、永続的に利益を出し続けていける独立開業を目指したい方は、是非お問い合わせください。(プロ技塾問い合わせ)